登場する2人の関係に違いがあります。
対談では、2人の話し手は、ほぼ対等な関係で会話を進めていきます。
それに対してインタビューでは、
主役はあくまでも話し手(インタビューを受けている側)であり、聞き手は黒子にまわっています。
忠実に素起こしをする場合には、
インタビューの場合も対談の場合も、起こし方にそれほどの差はありません。
どちらも同じように、発言に忠実に、臨場感あふれる起こし方をしていけばよいでしょう。
インタビューと対談の起こし方の違いを意識しなければならないのは、
リライトを求められた場合です。
対談の場合は、2人の会話をどちらも同じウエートを置いて起こしていきます。
それに対してインタビューの場合は、話し手の発言に重点を置いて起こしていき、
聞き手の発言は極力そぎ落としていくように求められることがあります。
この講座では、リライトについては特に詳しくは扱いませんが、
もしもインタビューテープのリライトを求められたときは、
下記のポイントを念頭に置いて起こすようにしましょう。
<リライトを求められたときのポイント>
(1)話し手の口調や雰囲気を尊重して生かす。
(2)口癖などは全体の3割ぐらいを残す程度にカットし、本人の個性を生かす。
ただし、口癖も音声に忠実に再現する場合があるので、必ずクライアントの要望を確認する。
(3)聞き手の発言は、できる限り短くそぎ落とす。
ただし、発言通りに起こす場合もあるので、必ずクライアントの要望を確認する。
(4)話し言葉と崩れた言葉とを区別し、文法的な誤りはきちんと修正する。
(5)インタビュアーの相づち(または相づち的発言)は起こさない。
(6)倒置的発言は、極力正しい語順に並べ替える。
ただし、その場の雰囲気や口調を尊重したい場合には、倒置もそのまま尊重する。